【540】体の浮かせ方

テコンドーの大技540度ディフリギ(後廻し蹴り)、トリッキングではcheat720と呼ばれている技の練習記録です。

私がテコンドーを始めた頃(2000年)では超必殺技!と言うくらいの大技だったのですが、
今では1260度ティフリギをする人もおり、韓国人みんな540度どころか720度トルリョチャギ(廻し蹴り)もやってるのか、と思ってしまうくらい、いろんな人がやっています。

私自身テコンドーを始めるまで運動はほとんどやったことがなく、大学生になってから本格的に運動を始めました。それまでは身体能力的には下の下だったので、筋力も柔軟性も運動感覚も無い状態での格闘技だったので、かなり苦労しました。

本格的に・・・とはいえ、大学の愛好会でのテコンドーで、ほとんどが学生たちの自主練習での活動でした。なので、同年代と比べるとまだまだ身体能力は低い方です。

そんな私でも540度はできるようになりたい!と言う憧れもあり、2020年からようやく本格的に練習を始めました。

最初は1年くらい毎日練習すればできるようになるかな?と思っていたのですが、そんなに甘くありませんでした。

想像以上に色々と気にしないといけないポイントがあり、それらを一つ一つ無意識に落とし込んでいっているところです。

前置き長くなりましたが、

「身体能力の未熟な人が540度ができるようになるために押さえておくべきポイントとその練習の記録」

になります。

【課題】真っ直ぐ跳べない

練習を動画で確認しているのですが、1番気になるのがその低さです。
ジャンプ力は決して高くは無いのですが、絶望的ではありません。それで気づいたのが、
「真っ直ぐ跳べたらもっと高くなるのでは?」
ということでした。

軸が斜めになってジャンプしているので、力が分散されてしまい、回転もぶれてしまいます。

【対策】

1、回転に入る前の足の位置と向き

後ろの足は横を向き、前に出す足は中心より内側に入らないようにする。(跳ぶ時の踵が中心にくる位置に足を置く)

跳び上がる時は、この前に出した足で跳ぶことになるので、この足の位置が左右にずれてしまうと、軸が斜めになってしまいます。
また、後ろの足が横に向くことによって、回転しながら足を振り上げる時に直線に近い軌道で振り上げられるので、勢いを真っ直ぐ(真上方向)に流すことができます。

これに気づくまではずっと、跳ぶ瞬間から軸が斜めになっていおり、「なんでこんなに傾くんだろう?体幹が弱いから?」と悩んでいました。

2、踏み切りのタイミング

ここは、人に寄ります。踏切のタイミングをギリギリまで溜めた方が、回転を稼げるので形にこだわらない人は気にしなくて良いポイントです。
トリッキングのある動画で1080度キックをしていましたが、実際に空中での回転は540度くらいでした。(だから『cheat』〇〇というのでしょうけど)

私は最初、回転して振り上げ足の膝が上を向くタイミングで踏み切っていたのですが、それだと回転に流されて、勢いが斜め上になってしまい、跳んだ後の体が斜めになっていました。

なので、もっとタイミングを早く踏み切るイメージで飛ぶことで、回転する勢いが上方向になるので、軸も真っ直ぐになりやすくなりました。

この踏み切りのタイミングにするにあたり、上半身も少し意識を変えたポイントがあります。それは上半身の回転をもっと速くすることです。上半身は回転している(横方向の力が働いている)が、下半身は上方向の力が働いているようなイメージです。回転の際に意識するのは振り上げ足側の腕(私の場合は左腕)です。胸を開き、肘を曲げ、回転方向(背中側)に引くことを意識しています。

3、振り上げる足を空中で止める意識

私の場合、この意識が無いと、この後回転するときに振り上げた足を下げながら、踏切足を上げる動きになってしまい、高度が下がってしまいます。

4、踏み切り足は跳び上がるというより、振り上げ足に引きつける

最初は振り上げた足の勢いで体を浮かしながら、踏み切り足での片足ジャンプをイメージしていました。しかし、このイメージだとどうしても脚力に依存してしまいます。いろんな動画を見て研究したところ、この時の片足の溜めはそんなに見られず、「身体能力の違いか?」と悩まされてしまいました。

もちろん身体能力でも対応できると思いますが、浮いている足に対して、内股を締めて踏切足を引きつける方が、先ほどの3のポイントと合わせると楽に体を浮かせられるし、体幹を締めることができ、軸も作れ、回転スピードが上がります。

運動感覚が優れている人は意識せずともこれができるのかもしれませんが、私はこれに気づくのにかなり時間がかかりました。そして、気付いたからといってすぐにできるというわけでもないので、これについても反復練習です。

5、腕の動き

振り上げ足の方の腕は2で記述したように、背中方向への回転を意識します。反対の踏切足側の腕は踏切の瞬間は上にあげ、胸の引っ張りを意識し、肘を曲げ内側に巻き込み回転力につなげます。

ここで意識するのは踏切の時に腕を引き下げないことです。

武道的な動きでは、右足でけるときは、右肘(腕)を引くことで、反動力がつき、威力が上がります。
同じ感覚で、踏み切り足の力を強くして飛ぼうとするあまり、無意識に右腕が引かれてしまい、回転力を止め、高度を下げる要因にもなっていました。
私にとっては、逆にこの腕の動きは無意識でできるくらいに染み込んだ武道の動きになってしまいました。

跳び上がるだけでも、こんなに意識して練習しないといけないくらい大変で、これだけのポイントに気づくのに1年半くらいかかってます。いろんな動画がありますが、自分の身体能力に合う講座系の動画を見つけるのもなかなか難しいですね。

結局、お手本を見ながら、自分でやって自分なりに研究していくことが一番の練習です。